春ファッションへのこだわりというと、<冬ファッションからの脱却の喜び>を表すものだと思っています。冬ファッションといえば生地の質が重く、事実重量もあります。それだけに、冬抜けの際の軽やかな気持ちを表現するため、風になびくような素材を多くコーディネートに極力取り入れたいと考えています。たとえばシフォンがよい例です。温かい春の陽気を含んでふんわりと風にひるがえるシフォンは、透け感も手伝って、春を表現するのにうってつけの素材だといえます。シフォンは巻物やスカート、バッグに取りつけたスカーフなどで気軽に取り入れることができます。ほかに、春ファッションは色目にもこだわりたいもの。明度の高い色、たとえば白やベージュ、淡いグレーやパステルなどを積極的にコーディネートに取り入れるのも私なりのこだわりです。さらに春ファッションは柄にもこだわりたいところです。春といえば若い花の季節。大輪の花柄は夏の楽しみにとっておいて、春には可憐な小花などの控えめな柄を取り入れるの好きです。春には春ならではの色柄を身に纏い、その季節に映えるファッションを心掛けます。そのときは、<自分自身が着て楽しめるかどうか>はもちろんのこと、<第三者の目にも楽しめるかどうか>、そこにもひそかにこだわっています。 |